生活福祉資金貸付制度

生活福祉支援貸付制度には、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活支援等があります。
どのような制度なのか、利用するための要件、どこに行けば支援を受けられるのか等について解説致します。

制度の概要と支援対象

お金が借りれずに困る老夫婦

生活福祉資金貸付とは、民間金融機関からお金を借りることが厳しい状況にある方に対し、行政が貸付けによって生活の立て直しをバックアップする制度です。
厚生労働省主導のもと都道府県社会福祉協議会が主体となって実施されており、具体的には以下に該当する方が支援対象となります。

低所得者世帯 必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税程度)
障害者世帯 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯
高齢者世帯 65歳以上の高齢者の属する世帯

上記の通り原則として所得が低い方・障害をもつ方・高齢者が対象となり、資金の貸付けだけではなく、必要な援助指導・経済的な自立・生活意欲の助長促進や社会復帰をサポートしています。
なお、生活福祉資金は社会的な弱者を救済するために設けられた制度ではありますが、その財源は全額公費(税金)で賄われるため適切な審査を経て貸付けの妥当性を判断しなければなりません。

貸付資金の種類

4つの用途で使用できる生活福祉資金貸付

冒頭でもお伝えした通り、生活福祉資金貸付は「総合支援資金」「福祉資金」「教育支援資金」「不動産担保型生活支援」の4種に分類されます。
それぞれの項目で対象者や限度額が異なりますので、予めご確認ください。

総合支援資金
種類 対象者 貸付限度額 償還期限
生活支援費 低所得世帯 2人以上)月20万円
単身)月15万円
10年
住宅入居費 40万円
一時生活再建費 60万円

総合支援資金は、生活を立て直すための費用や家を借りる際に必要な敷金・礼金等の費用、就職や転職を前提とした技能習得等で費用が必要な際に利用することができます。
何らかの事情により十分な所得を得られない世帯が対象となり償還期限が10年と非常に長くなっている点が特徴です。

福祉資金
種類 対象者 貸付限度額 償還期限
福祉費 低所得世帯 580万円 20年
緊急小口資金 障害者世帯
高齢者世帯
10万円 12ヶ月

福祉資金は、総合支援資金よりもさらに対象及び貸付限度の幅が広くなっています。
住宅の増改築や補修をはじめ、福祉用具の購入や障害をもつ方が利用する自動車の購入費用、負傷や疾病の療養、冠婚葬祭に必要な費用、災害を受けた際に臨時で必要となる費用など様々なシーンでの利用が可能です。

教育支援資金
種類 対象者 貸付限度額 償還期限
教育支援費 低所得世帯 高校)月3.5万円
高専及び短大)月6万円
大学)月6.5万円
卒業後20年
就学支度費 50万円

教育支援資金は、所得が原因で満足な教育が受けられない方のための融資で、毎年の授業料に加えて入学時に掛かる諸所の費用を借りることができます。
なお、こちらは日本学生支援機構の奨学金と併用することも可能です。

不動産担保型生活支援
種類 対象者 貸付限度額 償還期限
通常型 低所得の
高齢者世帯
評価額の70%程度
(土地のみ)
月30万円
なし
要保護世帯向け 要保護の
高齢者世帯
評価額の70%程度
(土地及び建物)
生活扶助額の1.5倍以内

不動産担保型生活支援とは、自身が所有する不動産(土地や建物)を担保にし、まとまった融資を受ける方法です。
通常型と要保護世帯向けにプランが分かれており、後者の方がより制度が手厚く、担保として提供できる不動産の範囲も広くなっています。
お金を借りた方が亡くなった際にそのまま不動産を提供するか不動産の売却金で返済する形のいずれかで対応するため償還期限は原則として設けられていません。

貸付金利と難易度について

貸付利子は、保証人がいれば無利子・保証人無しの場合は年1.5%となっています。
民間金融機関よりも遥かに低い金利(又は無利息)ですので是非活用したいところではありますが、実際は貸付要件・審査が厳しく、中々借入に至らないという声も多く聞かれています。
また、必要な書類が膨大であることや審査に時間を要してしまうことも大きな課題であり、借入までには多くのハードルをクリアせねばなりません。

生活福祉資金貸付制度の課題

冒頭でも軽く触れましたが、同制度の歳費は国民のお金(税金)です。
人を助けるためとはいえ無条件で貸付けてしまっては他の納税者との不公平を招いてしまいますので、行政側も貸付けには慎重に成らざるを得ず、返済がなされない可能性が高い人に対しては融資ができません。
場合によっては民間金融機関以上に審査が厳しくなる可能性もあり、難易度は非常に高いと言えます。

管轄と申し込みの手順

生活福祉資金貸付制度の申込手順

同制度を利用するにはまず市町村社会福祉協議会に申込みを行う必要があります。(※福祉費・教育支援資金に関しては「民生委員」に対して申込み・相談を行います。)
申込みが終わりますと、当該申込書及び添付資料が都道府県社会福祉協議会へと転送され、融資の可否が判断されます。
融資の種類にもよりますが審査には概ね1か月ほど掛かり、審査段階で別途疎明資料の提出を求められることもありますので、担当者からの連絡を待ちましょう。

審査完了後に融資の可又は不可が通知され、可の場合は申込んだ金銭が申込者(相談者)へと振り込まれます。
内容や状況によって必要書類や要件が大きく異なりますので、利用をご検討の際にはまずお近くの市町村社会福祉協議会に相談してみると良いでしょう。

参考社会福祉協議会「都道府県・指定都市社会福祉協議会」
https://www.shakyo.or.jp/network/kenshakyo/index.html
非常に好条件である反面、審査が厳しいのが生活福祉資金貸付制度の特徴です。
要件は厳しいものの融資が受けられれば生活がグッと楽になることは間違いありませんので、何らかの事由で困窮してしまった方は一度相談してみてはいかがでしょうか。