公的融資と私的融資の審査の違い

公的融資(財政投融資)と私的融資(銀行や消費者金融等)では、審査にどのような違いがあるのでしょうか。
求められる基準・書類・特に重要視されるポイントについて確認していきましょう。

両者の違いをおさらい

まずは公的融資と、銀行の個人向けフリーローン利用条件の違いについて改めて確認していきましょう。

利用者 使途
公的融資 国民全般
金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等の業種以外の事業を営む中小企業
生活するための資金
運転資金・設備資金・特定設備資金
フリーローン 申込時に満20歳以上満66歳未満かつ完済時満71歳未満の方
継続安定した収入のある方
保証会社の保証が受けられる方
健全な消費性資金
商品によっては事業資金も可

まず、公的資金の筆頭である「日本政策金融公庫」では使途が事業用資金に限定されており生活費や趣味・レジャーを目的とした借り入れができません。
生活する上で必要な費用を借りたい場合は、社会的な弱者を救済することを目的とした公的融資(母子福祉資金や年金担保)を利用する必要がありますが、使途が厳格に定められており、柔軟性は低いと言えます。
一方で銀行や消費者金融は使途が限定されておりません(※目的別ローンを除く)ので、比較的自由に利用することができ、プライベート・ビジネス双方での利用も可能です。

審査されるポイント

融資申請の書類を厳しきチェックする担当官

著しく有利な条件での貸付けは他の国民との不平等を招きますので、お金を貸すことに対して正当性が認められなければなりません。
具体的には、公的融資と民間融資では以下の通り審査項目に違いがあります。

審査項目 公的融資 民間融資
返済能力 重要視される 重要視される
将来性 重要視される 重要視されない
資産状況 重要視されない 重要視される
属性 性別・年齢・状況を重要視 勤務先を重要視
借入状況 重要視されない 総量規制がある場合は重要視

前述した通り、公的融資は「支援」という目的がありますので、現在の資産状況(返済能力)よりも借入する人や企業の将来性を重視しています。
一方で、銀行や消費者金融は完全に「ビジネスでの貸借」になりますので、賃借人の将来性よりも現在の資産状況や返済能力を重視します。

そのため、銀行・消費者金融は赤字経営や完全なる新規事業の場合ですと非常に審査が厳しくなり、門前払いにされてしまうことも珍しくありません。
さらに、公的融資は国民の生活向上を目的・趣旨にしているものの、民間金融機関との金利があまりにもかけ離れてしまうと民間企業を利用する人がいなくなってしまいますので、公民のバランスも重要視されます。

難易度はどちらが高い?

民間の融資と公的融資の借り入れ難易度を比較する女性

残念ながら「どちらが厳しい」とは一概には言えません。
なぜならば、利用者が個人なのか法人(企業)なのか、借りようとする方の属性、資産状況によって利用の難易度は大きく異なり、ケースによってマッチする借入方法が変化するためです。

しかしながら、公的融資は法令を根拠に貸し出しを行っておりますので、民間の金融機関に比べて柔軟性が低く、審査が厳格であることは間違いありません。
さらに、民間金融機関に比べて限度額や金利が優遇されておりますので、ライバルが多く審査も厳しくなりがちです。(財源には限りがあるため)
また、綿密に事業計画を立てた上で同計画を事業計画書へ興さなければなりませんので、高い専門知識又は専門家の介入が必要となります。
これらの理由を鑑みますと、初めてお金を借りる方にとっては公的融資の方が敷居は高いと考えます。

個人利用なら民間融資

事業が発展するか否かが重要な審査ポイントとなる

公的融資の場合は売上や資産状況よりも「お金を貸すことでその事業がいかに発展するか」がより重点的に審査されます。
一方で、民間融資の場合はその人の属性や資産状況等が重要視されますので、個人利用の場合は圧倒的に民間金融機関の方が敷居は低いです。

さらに、公的融資は審査に非常に時間が掛かり、場合によっては数か月の審査期間を要することも珍しくありませんので、数百~数千万円の借入でもない限りは銀行・消費者金融を選択するのがベターでしょう。
また、低所得・高齢者・障害者・失業等の理由で十分な収入が得られない場合、各自治体で支援を受けられる可能性があります。
これらの制度も是非上手に活用してみてはいかがでしょうか。

個人利用の場合は公的融資を利用できませんので、自ずと民間融資(銀行のカードローンや消費者金融のキャッシングなど)を利用せざるを得なくなります。
しかしながら、事業の資金繰りとしての利用であれば好条件を勝ち取れる可能性があるため、まとまった資金が必要な企業様は是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか。