闇金で借りてしまった場合

闇金に借りてしまい、ついに返せなくなってしまった…
そんなとき、どのように対応すれば良いのでしょうか。
借りてしまった場合の対処法についてまとめました。

闇金には返さなくてもよい?

国民を守る民法

日本の民法には「契約自由の原則」と呼ばれる大原則があります。
文字通り“誰がどのような契約をしても良い”という原則ですが、完全自由に契約が可能としてしまうと、立場を利用するなどでいずれかが一方的に不利な契約を結ばされてしまう恐れがあります。

そこで、民法の一部条項については「強行規定」と呼ばれる制限が設けられています。
例えば「月20万円支払うから愛人になってくれ」と言われ、実際に愛人になったとしても、民法第90条の公序良俗に反するため、同契約は無効です。
同様に、賃貸借契約には金利の上限が設けられているため、如何に個人間の貸し借りであっても違法な金利については無効となります。

民法が適用されなくても無効

お金を貸すことを業としている個人・法人は、すべて貸金業法の適用を受けます。
貸金業法・出資法は民法の特別法(上位)に当たる法律となりますが、同法律に記載が無い事柄については、民法が適用されます。

そのため、契約自由の原則については同様なものの、違法な金利については無効となるのです。

判例では、

1.本件ヤミ金融業者が貸付として交付した金銭は、不法原因給付に該当するため、本件ヤミ金融業者から借主に対して返還請求することはできない。

2.本件ヤミ金融業者が被害者に対して行った高利での貸付け・弁済という名目で金銭を受領した行為は不法行為に当たるため、被害者はヤミ金融業者に元利金の弁済として支払った金額全額を損害として、損害賠償請求ができる。

と、はっきりと無効とは宣言しなかったものの全額を損害賠償として請求できる(不法行為)・ヤミ金業者は元本について返還請求できない(不法原因給付)と論じています。(※不法原因給付(民法708条)とは、法律に反したお金のやり取りは無効というもので、例えば仲間内で賭け事して得たお金などを指します。)
つまり、闇金業者は不法原因給付の受領者となり、返済の必要が無いばかりか、支払ったお金についても請求することが可能です。

警察は取り合ってくれない?

民事不介入を盾に取り合わない警察

「民事不介入」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。
警察は、原則として私人間のトラブルには介入せず“お金の貸し借り等のトラブルは当事者間で解決せよ”というスタンスを採っています。
その姿勢は対闇金業者とのトラブルに対しても変わっておらず、同スタンスが闇金業者による被害を事前に止められない要因の一つとなっていました。

違法業者であるにも係わらず「我関せず」という警察の姿勢は大きな社会問題となり、現在では闇金業者への注意喚起・被害届の受理を積極的に行うようになっています。
しかしながら、実店舗を持たない闇金業者(所謂「090金融」)の業者が多い昨今に於いては、証拠・犯人の特定等に多大の時間と人員が必要であり、摘発に至るケースは少ないのが現状です。

法律家介入の有効性

困ったら法律家に相談するのもあり

警察の方から注意してもらっても、取立てが止まるのは一時的であり、一定期間が経過すると違法な取立てが再燃してしまうケースがほとんどです。
そこで、もしもすでに闇金業者からの違法な取立てを受けてしまっている場合、法律家に相談してみるのも一つの手です。
無法者である闇金業者ですが、法律家が介入したとなれば簡単には手出しができなくなりますし、仮にすでに支払ったお金がある場合は取り返すこともできます。

ただし、借入時に写真を撮られてしまっている場合などについてはインターネット掲示板やSNS等での「晒し」の被害に遭ってしまう可能性がありますので、慎重に事を運ばねばなりません。
事情を包み隠さずに伝えた上、然るべき措置を講じてもらいましょう。

闇金は摘発が難しく、証拠を揃えた上で警察に相談しても、注意のみで終わるケースがあります。
被害に遭ってしまった場合には弁護士・司法書士等に相談し、毅然とした態度で臨みましょう。
ただし、免許証・裸の写真等を担保として取られてしまった場合には慎重に動く必要があります。