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小松流 ビジネス力を上昇させろ!
著者プロフィール
小松俊明 (こまつ・としあき)
小松俊明 (こまつ・としあき)
リクルーターズ(株)代表取締役
1967年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。総合商社で海外営業の後、キャリア情報誌の編集者、外資系ヘッドハンターを経て、採用戦略コンサルティング会社、リクルーターズ(株)を設立。近著『デキる上司は休暇が長い』(あさ出版・刊)など著書多数

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  「小松流 働き方の極意」は、身の周りにいる「デキる人、稼ぐ人、バランスのいい人」が日々考えていることや習慣をベースにした “意識改革のためのヒント集”です。これらを忠実に実践すれば、あなたも“デキるビジネスマン”と呼ばれるかも……。『月刊総務』に連載中の本編も、ぜひあわせてご覧ください!

10. 社員でオーケストラはできないか

2008-10-01 09:00

■ 学校の授業でオーケストラをやる理由

オーケストラ授業に取り組む学校がある。音楽専門学校ではない。何と女子が全くいない、男子校であるというから、さらに驚きである。

情操や表現力を磨き、豊かな心を育てるのが目的だと言う。音楽専任講師を5人以上持ち、文化祭で学年全員によるステージ演奏という形で実を結ぶのだそうだ。オーケストラの演奏を一度でも聴いたことのある人であれば、そのすばらしさに異論はないだろう。多種多様な楽器から発せられる異なる音がハーモニーをつくって、音の強弱と絶妙なリズムで、聴衆の心をわしづかみにしてしまうのがオーケストラの醍醐味である。
上手な生徒、そうでない生徒、ヤル気の高い生徒、そうではない生徒、努力する生徒、サボる生徒、色々な生徒がいるに違いない。ただし、全員参加というのだから、自分だけステージにあがらないわけにはいかない。

この学校の先生に、実際の現場の苦労について聞いてみた。

中学に入学すると、まず自分の楽器を選ぶそうだ。学校には生徒一人に必ず一台の楽器が備わっているというから、すごい。最初の一年はその楽器に触れながら基本を学ぶとのこと。中2、中3にはステージに上がらなければならない。学校には色々な生徒がいるという。大切なことは、どんなレベルの生徒でも、参加意欲をわかせるためには、少なくてもいいからきっちりと自分が役割を果たすべくパートを認識させて、その部分を繰り返し練習させるとのことだ。
さらに、他の人の練習も聞かせるという。自分がデキないレベルでも、他の人の練習を聞かせて、自分が全体の中の一部であることを自覚させるというのだ。

■ 会社組織のリーダはオーケストラの指揮者になり得るか
私は、オーケストラ授業こそ、会社で社員達と一緒におこなうことはできないだろうかと思う。会社に必要なことは、オーケストラにすべてあるような気がしてならないからだ。ステージに上がる以上、自分のパートを演奏しないわけにはいかない。最悪練習不足で演奏できないのならば、音を立てないように静かにしてなければならない。間違っても、不平不満を言って不協和音を上げるようなことは、真剣にオーケストラを演奏しようという他のメンバーたちの手前できるわけがない。

ただし現実の会社生活は違う。オーケストラの演奏には全くなっていないといってもいいかもしれない。社長や現場のリーダーがどんなにビジョンを語って、戦略を発表しても、社員が一体感を持って、ハーモニーを奏でるように仕事をやることは容易なことではない。おそらくそれは、社員の立場からすると、会社生活はオーケストラの演奏をしているような意識が全くもてないのであろう。

それはなぜか。

オーケストラのように、すべてを熟知した指揮者がいないからだろうか。絶対なる信頼をおける有能なリーダーがいれば、会社もオーケストラのように団結できるのだろう。ではなぜそのようなリーダーが会社には不在であるのか。
オーケストラの場合、常に指揮者と残りのすべての演奏者が一緒に音あわせの練習をする時間がある。そこでは指揮者の息遣いや流す汗のひとつひとつを、すべての演奏者がその場の空気をもって、体感できるからではないだろうか。

会社のリーダーはどうだろうか。すべての社員と一緒に音あわせをする時間を十分に設けられているだろうか。もっと大切なことがほかにあるという言い訳で、社員の前に姿を見せないリーダーが多いのではないだろうか。

現場にビジネスのすべてがあると信じているリーダーもなかにはいる。そのようなリーダーのいる会社なら、少しはオーケストラに近い試みが起きているのかもしれない。