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■ユーザーフレンドリーとは?
今の時代、新商品がどんどん市場に出てくる。身近な例でいえば、携帯電話。薄くて軽い機種やデザインが優れた機種など、個性的な商品が店頭に並んでいる。そうした中で、やはりいちばん売れるのは、使い勝手のいい機種、つまり「ユーザーフレンドリー」な機種であるという。
人間も同じではないだろうか。転職社会の到来によって、会社の同僚にも、いろいろな個性を持つ人が増えている。薄くて軽い人、見栄えがよくてかっこいい人も、決して悪くはないが、やはり仕事ができる人がいちばん。ただし、機能がよくても使いにくい携帯には価値がないように、人間も仕事ができても、人と一緒に働けないタイプは敬遠されるだろう。
■サービスタクシーについて考えてみる
さて、もう少しユーザーフレンドリーについて考えてみたい。たとえば営業の仕事の例がわかりやすい。お客さまに好かれる営業マンは、ユーザー(お客さま)フレンドリー、つまり使い勝手がいいに違いない。ただし、このユーザーフレンドリーも、やり方を間違えると足をすくわれることになる。過剰なサービス(接待など)でゆがんだ関係は、ユーザーフレンドリーであったとしても、うまくいかない。
その良い例がある。最近、話題になったタクシー業界の過剰サービスの話である。深夜帰りの官僚相手に、タクシーの運転手がビール券や現金を渡したというニュースだ。金品を受け取った官僚のモラルの無さがクローズアップされているが、ここではタクシーの運転手に注目して、サービスの在り方について考えてみよう。
常連でかつロング(長距離乗ってくれる)の客は、タクシー運転手にとって最も重要な顧客である。だからこそ、最高のサービスを提供して、また乗ってほしいと考えるのは自然なことだ。タクシーにも差別化できる要素はいろいろある。車そのものがいいグレードであること。中には後部シートが高級ソファーのように快適なタクシーもある。もちろん、シートが高級なクッションでなくとも、車内に清潔感があれば、乗っていて気持ちがいいものだ。
そして運転が上手であることも大切だ。特に、うまく渋滞を回避し、抜け道を使って時間短縮をしてくれるタクシーは優秀だ。まだまだサービスの差別化はできる。同じ場所に行くにもかかわらず、料金が違うケースがある。当然ながら、安く運んでくれるタクシーは、サービスレベルが高いといえる(これひとつで、他のすべてのことには目をつぶれるかもしれない)。
そして何といっても、乗りたいときにすぐ乗れること。事前の予約を受け付け、また電話をすればすぐ来てくれるのは、かなり得点の高いサービスである。
■自分自身に置きかえてみよう
タクシーのサービスについて、詳しく検討してみたが、ここで自分に置きかえてみてほしい。キーワードは「ユーザーフレンドリー」である。あなたは、前述したタクシーのように、お客さまに快適なサービスを提供しているだろうか。つまり、あなたのサービスは、お客さまにとって使い勝手がいい状態(ユーザーフレンドリー)にあるだろうか。
必要なときにすぐ提供できること。サービスの質がいいこと。あなたのサービスで相手の人を快適な気持ちにさせること。サービスが早いこと。サービスにかかる費用が納得いく水準であること……etc. これらは、お客さまにあなたのサービスを継続して使ってもらうための最低条件である。私たちは会社や同僚、もしくは仕事そのものに対して不満を持ちがちなものだが、タクシーの運転手の視点になって、もう一度、自分の「ユーザーフレンドリー度」を確認してみるといいかもしれない。
携帯電話も、高齢者向けには機能重視ではなく、操作性重視にしている。文字やボタンを大きくしたり、機能そのものを単純化して、本当に必要な機能だけに絞った携帯電話もある。「ユーザーフレンドリー」は、高機能化、高品質化など、いわば高級化をすることではないのかもしれない。ユーザーの多くは、単純なサービス、それも安価で事故の少ない安心できるサービスを求めているのではないだろうか。
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