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小松流 ビジネス力を上昇させろ!
著者プロフィール
小松俊明 (こまつ・としあき)
小松俊明 (こまつ・としあき)
リクルーターズ(株)代表取締役
1967年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。総合商社で海外営業の後、キャリア情報誌の編集者、外資系ヘッドハンターを経て、採用戦略コンサルティング会社、リクルーターズ(株)を設立。近著『デキる上司は休暇が長い』(あさ出版・刊)など著書多数

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01 自分の考えを具体的に表現しているか

2008-05-20 19:29

自分の考えを相手に伝えたいときは、「言葉で表現する」ことが一般的である(絵を描いたり、音楽を奏でることで伝えられることもあるが、圧倒的に「言葉」を使う頻度が多いに違いない)。待ち合わせ場所など、シンプルな内容を伝えるときは楽である。○月○日の正午に、渋谷のハチ公前で、これでまず誤解はうまれない。

一方、例外的な出来事を説明するときなどは、誤解を招きかねない。難しい状況の中で、うまく言葉を選んで相手に伝えなければならないからだ。

たとえばこんな調子である。
「いつも月曜日に予定されている定例会議が、社長の出張に付き添いする部長の欠席によって、その前の週の木曜日か金曜日に行うことになりそうだが、その最終決定は社長の出張が確定する今週の水曜日になる予定。会議の時間は木曜日ならばいつもと同じ午後3時からであるが、金曜日になる場合は、部長が午後出張を予定しているため、午前11時になる予定」

このように、複雑な話を相手に伝えたいときには思考を深め、より具体的な表現を心掛けることが必要になる。ただ、これが容易なことではない。

先に示した例は、時間調整の複雑さに限定されたが、実際に仕事環境で起きる出来事は、はるかに複雑である。これまでの経緯はどうであったか、なぜそうしたいのか、何から初めに取り組みたいのか、どのような協力を得たいのか、何がリスクであるのか、どのくらいの時間やコストがかかるのか、成果はどのくらい見込めるのかなど、丁寧に話をしようと思えば、自然と話が長くなってしまう。ただ、このくらいのことを伝えなければ、実際は仕事が先に進まないことも多い。

長い話を聞かされること自体も、苦痛である。一方、中途半端な話は、混乱を招くがゆえに、それも問題だ。コミュニケーションは実に難しいのだ。

もうひとつ、大きな問題がある。それは聞く者の姿勢である。話を聞いている方というのは、得てして相手の話をしっかりと最後まで聞いておらず、途中で自分が聞きたいことを思いつくと、そのことで思考が占拠されてしまい、相手の話を聞くことに集中できなくなるものである。つまり、自分が早く答えたいがために、人の話を半分くらい聞き流しているという状態……この場合、会話というものはなかなか前進しないものだ。

ところで、コミュニケーションには相性がつきものである。すんなりと相手の話を理解できる場合と、何が話の論点であるのかがわからないという場合ある。わかっていなくても、ついわかった気になるというややこしい状態もある。

相性がいい状態というのは、前提条件が一致していることであろう。たとえば、しっかりと話の経緯を説明してもらわないと話がわからないという人がいるとして、たまたま今回の話の相手は詳しく話の経緯を話す習慣がある人であった場合、話は相手に正確に伝わるのである。ただ、その逆の人もいるから注意である。どんなに丁寧な話であったとしても、長い話を聞くと混乱してしまうという人もいる。そのような人には、やはり結論から話を持ちかけるべきであるし、理由も、大きく3つくらいに分類して、短く伝えるのが効果的であろう。

コミュニケーションとは、ただ声をあげて、相手に言葉を投げかければいいというものではないようだ。当然のように聞こえるが、果たして本当に自分の言葉が相手に届いているか、もう一度考えてみるといいかもしれない。自分の考えを具体的に表現すること、それは簡単なことではない。良いコミュニケーションをとりたいと思うならば、今よりもっと思考を深めて、具体性のある表現力を磨く必要があるのかもしれない。