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有限会社人事・労務
矢萩大輔 先生

プロフィール

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「現場力を高める―従業員満足が会社を活性化させる」

先日、SMBCの会員向け雑誌『MiT』の取材を受けました。テーマは「現場力を高める―従業員満足が会社を活性化させる」。私の他に慶應大学教授の高橋俊介氏と元ジョンソン・エンド・ジョンソン取締役で国際ビジネスブレイン代表の新将命がES(従業員満足)について解説をされるそうです。私はこの特集の中で具体的な人事制度の施策についてお話をさせていただきました。今回は、その取材の内容を元にES型人事制度について4回に分けてお話をしたいと思います。

◆これからは企業の“志”の大きさで勝負が決まる時代
これからは「志の大きい会社が志の小さい会社を喰う時代」となる――。今、ITをはじめ多くの業界で大企業の神話が崩れ、規模の大小ではなく「スピードの速い会社が遅い会社を喰う時代」となっています。しかし、これから時代はその企業の“志”の大きさで勝負が決まる時代が来るのです。

リッツカールトンをはじめ、ディズニーランド、トヨタ、カシータ、加賀屋旅館……注目を集める多くの企業の“志”の大きさは企業の規模とは関係なく社会に大きな影響を与えています。

そのような中で、企業が儲けを生み出し、これからの時代を生き残るためには「ES」の考え方を企業経営に取り入れ、その思い(考え)を商品やサービスに反映させることは戦略上とても重要なことになってくるのです。

ところで、ESと人事制度の関係で見逃してはならないのが成果主義の視点です。これまでにも「成果主義崩壊」「拝金主義崩壊」などと、多くの成果主義人事制度を導入した企業の失敗が取り上げられてきました。しかし、成果主義は何がダメなのでしょうか?

◆ESの視点でみた成果主義がダメな理由
その理由をESの視点で考えて見ましょう。成果主義を導入するためには、「権限委譲」と「自律性」という2つの要素があります。

経営者の問題点としては、従来のワンマン経営を貫き通し、部下を信用できないために権限委譲ができない社長や経営者も多く、これでは個人の評価として正確に判断できるわけがありません。

しかし、社員側にも問題があります。それは自分軸がない受け身型社員の存在です。みなさんの部下にも思い当たる人がいませんか?いわれたことだけしっかりとやる「受け身タイプ」の社員が。これまでの学校教育の中で、先生や親のいうことを素直に聞くことが周りから認められるもっとも良い方法であった彼らには、「何もせず企業のいいなりにする」というパターンができてしまっているのです。つまり彼らの思考術のパターンは「外部基準」なのです。

またこれは、自分が何者であるのか?という問い掛けをしてこなかったせいであるともいえます。特に今の若い社員の中には「シュガー社員」といわれる親に強く依存した社員も多く内在しており、自分軸がないため自律性が著しく欠落した社員が多いのです。

これでは、自分をもたない会社依存の社員が増えてしまい、自由に考えることができない。それゆえに、自己の責任も発生しないというワケです。そのような会社で成果主義を導入してもうまく運用できるはずがありません。

まず企業は、社員の自分探しのお手伝いをする必要があるのです。それは、ゲーテが「人生とは自分探しの旅である」といっているように、人間であれば誰もが望んでいることですね。

「何で、こんなことまでやらなければいけないんだ!!」と思う社長・人事担当者も多いと思いますが、昨今の学校教育問題が解決したとしても、「教育の問題は100年の計」といわれています。そんなに気を長くして待っていられるはずがありません。

頭が痛いところですが、やはりわれわれが会社内でやるしかないのでしょうね。