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株式会社ニッセン(東証1部)社外監査役
(株)ワイズ・ステージ代表取締役

高橋宜治 先生

プロフィール

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最近耳にしなくなった新人の五月病

 五月も下旬になろうとしているのに、タイムリーな話題ではないかもしれない。
 新入社員の五月病に纏わる話題を耳にしなくなったように感じるのは私だけだろうか?
 新人の五月病は、学生から社会人としての第一歩を我武者羅にがんばった4月一ヶ月が過ぎ、ホッとしてゴールデンウィークが終わった頃に、言われもない虚無感に襲われる現象であったと思う。
 人事を担当していた当時は、その対策として、『里親制度』という直接上下関係を持たない部門の上司や先輩が相談相手となるようなフォローアップの仕組みを仕組んだり、新人のフォローアップ研修を企画したりした記憶がある。

 五月病は英語では、freshmen’s syndromeという。
 症状的には、なんとなく体がだるい(傍から見るとやる気がなさそう)とか、元気なく集中力がわかない(同、簡単なミスを良くする)などがあるようだ。
 このような五月病が以前は、毎年この時期にはマスコミで話題になっていたような気がする。最近話題にならないのは、このような症状が決して新入社員だけのものでないからではないだろうか。
 職場でのメンタルケアの問題が、時期を問わずかつ年代も問わないで取り上げられているからであろう。

 先日発表された厚労省の『精神障害等に係る労災補償状況について(平成18年度)』によると、同事案による労災補償の請求件数は819件(なんと内未遂を含む自殺が176件)と前年度に比べ163件(24%)増加しており、支給決定件数も205件で前年度比78件(61.4%増)となっている。職種別請求件数は『専門技術職』199件、『事務職』190件、『技能職』136件『販売職』88件。これに対して支給決定件数では『専門技能職』60件、事務職『34件、『技能職』33件、『管理職』24件となっている。『管理職』は、請求件数54件の内44%が認められていることになる。他の職種が30%以下の決定率であるから支給決定率が高いことが分かる。
 
 また、年齢別の支給決定件数では30〜39歳がもっとも多い。つまり、1967年生まれ〜1976年生まれの世代である。
 世の中にゲーム機が誕生した年が1983年。この年に7歳から16歳の世代である。私は、この1983年が日本人の精神構造上の大きな転換点だと思っている。社会的成熟期を前に対人関係能力を成長させる時期に、対人関係を学ばずに成長してしまったのがこの年以降の世代である。しかしながら、一方では企業として管理・監督職に就く年齢でもある。新入社員の五月病対策もさることながら、全社員に対するメンタルケア対策が必要とされているようである。

 一般論としては、五月病対策としては、『ストレスを如何に発散させるか』『新しい目標を設定し、そこに向かって努力するように仕向ける』等があるようである。
 だが、中高年に対する五月病対策は、人事制度全般(評価、報酬、処遇など)を見直すなど小手先ではなく、抜本的な施策が必要ではないだろうか。