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労働CSRを考える(5) パート労働法への対応2
前回の掲載からずいぶん間が空いてしまった。この約1か月の間、研修等に追いまくられたというのが理由。誠に申し訳ない。一方で、間が空いたことにより、タイトルについてのネタとなるような話題がこの間にずいぶん増えた。
まず、3月12日の日経新聞では吉野家がパート社員を地域正社員に登用するとの記事が掲載された。全社員の3割が地域限定社員になる見通しとのことである。前回、なぜ、パート(非正規雇用形態)として働くのか? というアンケートに対して「時間的制約がないから」と「正社員になりたいのだけれどさまざまな制約のためにパートで我慢をしている」との二極分化の答えだったが、“地域限定”というのは、一つの制約をクリアする意味からも歓迎できるものではないだろうか。
昨年のパート労働法改正が告知されてから正社員化を宣言した企業は、イオン、リンガーハット、ユニクロ、ロフトなどがある。いずれも流通業で過去からパート・アルバイトを大量に雇用してきた業界である。これらの企業の施策の詳細はわからないが、働く側の意見も重視して、一律な対応ではなく、きめ細かな施策を打ち出してほしいものである。
働く側から理由を見ると「生活の維持」「生きがいや余暇、資格を活かす」とこちらも二極分化であったが、経済の先行きを考え合わせると、多数派として「生活の維持」という理由にシフトすることも考えられる。この面では、評価すべき施策である。
しかし、前回、企業側のパート・アルバイト雇用推進の理由として「労務コストの安さ」「繁閑の調整要員」が上げられていたが、社員化することで両方ともに制約を受けることになるわけで、経営とすれば今後の経営戦略にどう織り込むのか、大変難しい舵取りを要求されることになるだろう。
ただし、ますますの少子高齢化を考えると労働市場の先細りは現実のものとなるわけで、この点からは新たな採用を抑制することから、採用経費との削減には大きく貢献するだろう。
また、非正規雇用をやむなく受け入れていた層には歓迎されることは間違いのないことであるが、一律主義をとることにより社員全体のレベル維持には教育等にかける費用的・時間的コストと見合うかどうかも考慮に入れる必要がある。現在の非正規社員側からだけ事を見ていると、現在の正社員側のいい分が見逃されがちになるが、「働き甲斐」「やりがい」「モチベーション」を考えると、双方のことを考慮したアフターケアが要求されるのではないだろうか。
非正規雇用社員が既に正社員を凌駕するような成果を仕事上収めているのであればさほど大きな問題にはならないかもしれないが、逆のケースでは心配の種を内用することになるので注意が必要と思われる。このような目に見えないコストがかかることを経営は認識しなければならないだろう。

