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株式会社ニッセン(東証1部)社外監査役
(株)ワイズ・ステージ代表取締役

高橋宜治 先生

プロフィール

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平成20年版労働経済白書が語る最悪の労働CSR
〜人事施策を点検してください〜

先日、厚生労働省から『平成20年版労働経済白書』が発表された。
分析テーマは、「働く意識と雇用管理の動向」となっている。早速、要約に目を通してみた。

給与については、2005年度以降リストラによる整理の一段落で、29人以下の小規模企業以外は幾分かの上昇があったものの、その水準は2000年当時の水準である。また、仕事に対する満足度では、「雇用の安定」「仕事のやりがい」「休暇のとりやすさ」といった項目の経年比較がなされているが、「雇用の安定」はやや改善しているものの他の2項目は悪化している。

経済環境がやや停滞感を増している中で、企業は正規雇用増加に努力をしてきた。その結果として「雇用の安定」がやや改善したのであろうが、個人の収入は、シェアされた形で伸び悩んでいるということか?
また、「仕事のやりがい」や「休暇のとりやすさ」といったものが悪化しているのは、ここの仕事の生産性との関連もあるようである。

日本の産業生産性は製造業に拠るところが大きい。生産や製造システムといった機械化による生産性向上はお手の物であるが、人材ひとりひとりの生産性を上げることにおいては後手に回っている。経営戦略的観点から日本経済を考えると、限られた成長(横ばいもありうる)しか出来ないのであれば、収益向上戦略よりもむしろ生産性向上戦略にシフトしなければならない。大企業は既にシフトして収益を上げている。

個人が時間単位で生産性を上げること(人時生産性の向上)によって全体の生産性を上げて、結果として利益増大を図るしか手はないのであろう。そこで、重要なのは「仕事のやりがい」との関係である。

一体、「仕事のやりがい」とは何だろうか?
私は、「他者から評価されることによって自分の成果を実感すること」ではないかと思う。勿論、読者の中には他者から評価されなくても実感できる物はあるとの反論もあるかもしれないが。あえて、他者の評価としたのは、収益をあげる目的集団の企業にあっては自己満足ではいけないからである。同白書でも評価基準の明確化、評価結果の説明がしっかりなされることが課題との見解を示している。

そこで、皆さんに振り返っていただきたい。人事評価制度はしっかり整っていますか? 今の時代、企業の実情にあったものになっていますか? また、従業員満足度を上げるような制度になっていますか?
評価の結果は、その内容と共に部下に公開されていますか? より良い成果を上げるために上司・部下での話し合いがなされていますか? 褒める点は褒め、改善すべき点は改善すべきとの明快な指示は出来ていますか? 総じて、人事政策はトップから支持されていますか? などなど振り返ってみてください。

今、質問したような細かなことの繰り返しが「仕事のやりがい」に繋がるはずです。
一度点検してみてください。