|
【コスト削減=総務の仕事 大勘違いシンドローム】
今回は、〜コストが下がらない20の病とシンドローム〜の第三回目です。
【 コスト削減=総務の仕事 大勘違いシンドローム 】を取り上げます。
その前に、少しだけ宣伝をさせていただきます。『コピー用紙の裏は使うな!〜コスト削減の真実〜』が好調に売り上げを伸ばしています。いまだに、紀伊国屋書店の全店販売総合ランキング新書部門で第一位です。八重洲ブックセンターでも第八位です。さらにアマゾンの中での朝日新聞部門第一位、投資・金融・会社経営部門第一位、社会・政治部門第二位、ビジネス・経済・キャリア部門第五位となっています。

さて、【 コスト削減=総務の仕事 大勘違いシンドローム 】ですが、この症状は多くの会社で見られます。総務の存在そのものがコストと言わざるを得ない中、総務自身が自らの今までの仕事を否定する可能性があることを一生懸命やるでしょうか?
欧米なら総務は総合業務部門の位置づけであり、営業部門はもちろんのこと情報システム部門までを含めての業務統括セクションです。まさに、ジェネラルセクションと言う意味での総務です。もちろん組織全体の効率的な運営が彼らの目指すところです。しかし、日本の総務は出発点が庶務であり、何でも屋です。企業活動で起こる様々な問題を処理する部門です。営業、生産、技術、開発以外の全てを請け負う総合業務請負部門的色彩が濃い会社が多々あります。そんな彼らに、コスト削減の中核的な役割を担わせようとしたり、担っていると勘違いしている経営者がいます。
5、6年前のデフレ真っ盛りの時期に、“総務部門も数字目標を!”の掛け声の下、多くの企業で総務・経理を中心としたスタッフ部門がコスト削減金額を目標に掲げて動いた時期がありましたが、大きな成果を上げた話は聞いたことがありませんし、1、2年で尻すぼみになった感があります。出入り業者にお願いして取引単価の引き下げをお願いしたり、相見積もりを今までよりは少し多くの会社から取ったりするくらいまでが限界だった気がします。本来的な業務全体の無駄の見直しに足を突っ込むほどの社内的な位置づけでもなく、またそれができる人材配置にもなっていないのが多くの企業の総務の現状でもあります。
また、コスト削減とは単なるケチケチ運動ではなく、本来的には『経営』と『現場』の隙間を継続して埋めていく仕事であり作業です。『現場』に伝わっているつもりで実は殆ど伝わっていない経営の状況であり課題を『現場』に伝え続け、一方『経営』に分かって欲しと強く思っていながら伝わっていない『現場』の声であり、評価への欲求を拾い『経営』に伝え続ける地道な仕事は、とにかく少ない人数で何でもやっている総務にできる類の仕事ではないことは、火を見るよりも明らかです。
ですので、今までコスト削減のコンサルティングにお伺いして、その場に総務部長が先頭を切って出てこられた会社で削減が巧く行ったためしがありません。コスト削減という目標を達成できた企業では、ことごとく部門を横断したプロジェクトが結成されていました。さらに言えば、あえてその中に総務部長を入れていなかった会社の方が、入れていた会社の数よりもはるかに多かった記憶があります。賢い経営者の多くは、振り返って見ると、初めからコスト削減プロジェクトに総務経験の長い人間を入れない組成にしていました。雑誌の中でそのことを明言している経営者もいました。「総務部長はできない理由しか言わないので、当社のコスト削減プロジェクトからは当初よりあえて外しました。」と。これができない経営者は、【コスト削減=総務の仕事 大勘違い症候群】と言わざるを得ません。
この症状への処方箋は、まず、“コスト削減は総務の仕事ではない”と強く認識することです。次に、本当にコスト削減したいなら、コスト削減の金の卵は『経営』と『現場』の隙間に沢山転がっているわけですから、それを経営者の仕事、それも極めて優先順位が高い仕事と位置づけ、社長自らもしくはそれに準じる役員クラスの人間が明確な責任と権限を持って『現場』から活きの良い、既成概念にとらわれない人材を中心に集め、プロジェクトを組成して推し進めることです。最後は、聖域を設けない経営の“強い意思”と、それに呼応するプロジェクトメンバーの“高い志”が成否の別れ道になります。しかし、どうしても組織として総務でやりきるなら、現在会社を引っ張ってくれている各部門のエース級の人材を専任で投入することしかありません。そして、総務に部門の壁を越えた組織再編までを視野に入れた権限を与えることです。そうすることでのみ価値ある大きな成果が得られます。
(Mr.削減)

