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相談室

栗原雅 先生
スターティア株式会社

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【保有資格】
認定ファシリティマネジャー(CFMJ)第0058303号、2級建築施工管理技士

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栗原雅 先生

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オフィス移転での最近のクレーム事情

 西新宿に本社を持つある経営者の方から聞いた話ですが、「オフィスの移転はもうしたくないよ]と話を切り出されました。これからオフィスを移転するという木場のベンチャー企業の担当者は「オフィスの移転はこれが初めてです。何からしていいのかがわからなくて」と深刻な顔で打ち明けられました。

 最近この様な話を多く耳にするようになったのは、積極的に移転する企業の数が増えたことに起因します。これは、景気回復による企業の設備投資、優秀な人材確保に向けたブランド戦略、新興市場での上場企業の増加などによるものです。一方ではテナント空室率の低下による100坪以上の物件不足で移転ができない企業も増えています。
 
 今、オフィスを取り巻く環境は、移転を中心に1990年代のオフィスから2010年の次世代オフィスへ向けた移行時期にあります。経営判断のスピード化、熟練した担当者不足、兼任の業務量増加、ソフト(IT関係)とハード(内装設備等)の複雑化と発展、閉鎖的な業界慣習と不祥事、優秀な人材のリクルートなど、オフィスを移転する際の課題は複雑に絡み合い、その専門性が日々増しているのです。

 この様な背景から企業は、オフィスの移転をどう捉え、実施するのかを解決していかなければなりません。大半の企業は社内のリソースだけで解決することは難しく、社外にその協力を求める必要があります。今回はこの外部の協力関係者の陥りやすいトラブルについて少し説明します。

 「言った、言わない」の水掛け論のトラブルは一般的なビジネス上でも多いですが、認識の違いがもたらすトラブルがその代表的なものです。これは不動産仲介から内装、引越の業者まですべての流れの中で起きうる可能性があります。不動産仲介で多いのは、賃貸借契約書で表現しきれない内容や曖昧な表現をしている部分なので注意してください。

 入居後に電気や設備の増設をする予定で、ビルオーナーに確認をしたところ、「増設は可能です」と回答を受けていました。実際に現地調査をしたところ、当該工事は不可能だと判明しました。「言った、言わない」の話ですが、ここでのトラブルの回避には、事前に予定の工事概要を図面等の資料で提示しておきます。その上で覚書をとることが大事です。時間がない場合は、図面に相手の署名をもらうことでも効果があります。

 原状回復工事の範囲でもめることも増えています。どこまでが原状回復の範囲で、どこまでの仕上げが必要なのかを、入居前までにハッキリさせておくことも重要です。写真を取って、原状回復リストなどを作成して、オーナーに承認をもらえば退去時のトラブルも減ります。

 オフィスのデザインでは、色や仕上げ材の食い違い、間仕切りの割付けやデスク間の寸法の相違など、口頭での修正はトラブルの原因になります。必ずサンプル承認や図面承認をして、依頼をすることが重要です。発注する側、工事をする側、双方にとって納得できるオフィス移転こそが、実際に働く従業員を幸せな仕事場へ導くことができるのです。