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第3回 コンプライアンス導入、実践の実効性は経営者しだい
○コンプライアンスのジレンマ
経営者のなかには、「利益第一でどこが不足なのか、利益が出なければ、給料も出せない、税金も払えない、地域への還元も出来ないではないか」と言ってくる人がいる。表立ってではないが、いまだにコンプライアンスの導入、実践で聞く話である。これを聞くと、いま求めていることが理解できていないように感じる方もいるかも知れないが、そうではなく、この経営者はわかっていて言っているのである。つまり、ジレンマをぶつけきただけなのである。経営者は大変だと同情したくなる。
現在はだいぶ変わってきているかもしれないがその背景には、競合他社も同じようにするのであればまだ良い。しかし、営業の現場では他社に契約が取られてしまうことにはならないか。営業力の低下を招き、業績が確保できないのではないか。といった不安を感じさせる現実的な状況がある。また一方で、コスト削減はこれ以上できない上に、取引先の意向で仕入原価アップ分を納入価格に反映できないという話しもある。だから、綺麗事ばかり言っていられないとなるのだろうか。
○経営者は腹をくくることだ
これらの話を聞くと頷いてしまうような人も出てきそうだ。従来の社会状況のなかでの話としてなら聞いたことがある。しかし、今年に入っても人々の命の安全さえも脅かすような企業不祥事が相次いで発覚している社会状況においては、経営者はこの考え方を修正しなければならない。業績確保もさることながら、コンプライアンスの実践を進めない会社を社会が認めなくなって来ているからだ。つまり、「業績確保とコンプライアンスの実践」この両立へのジレンマをもっている経営者は、今後問題だ、となる。今後の会社発展を考えるならば、両方やると腹をくくることだ。社外に対しての開示も進め、社会、消費者、取引先などからコンプライアンスを実践していることが認められれば、自ずと今までの案ずる思いは杞憂となっていくはずだ。
○位置づけは中長期的な投資で企業文化づくり
コンプライアンスの導入を推進するなら中途半端ではだめだ。経営者と同じ考えできた役員や管理職を変えることは出来ない。また、従業員が見抜いて、せっかくのコンプライアンス実践の仕組みもその実効性は認められないだろう。経営者が考えることは、実効性あるコンプライアンス実践の仕組みの実現だ。これは、一部門で進めようとすることは出来ないはずで、全社で、全従業員が参画してこそ実効性が出てくるのである。企業文化にまで高めていくことが理想で、時間がかかり、手間がかかるものなのである。そのため、中長期的投資として予算化して進めることが絶対に必要で、それを経営決定することがコンプライアンス導入における最初になすべきことである。

