|
番外編(02) 他社の不祥事例を活かす―不二家の不祥事から学ぶ―
○心構え「他社の不祥事は他人事ではない」
先日発覚した不二家の不祥事を多くの人が「またか」と思ったのではないだろうか。このとき、「うちの会社であんなことが起きるはずがない」と思った経営者の方がいれば、会社で大きな問題が発生しないうちに後継者に後を任せることをお薦めする。不祥事は人間が起こすもので、その大小の差はあるが発生しない企業、組織など無いでしょう。組織の中の人間は実に弱いもので、そのことは過去の多くの事例が証明している。
この不祥事では、コンプライアンス(企業倫理+法令遵守)が何を意味し、「社会」からどう要請されているのか解かっていない。ルール違反のみならず隠ぺいは最悪のことで、特に食の安全に関わるルール違反は絶対にしてはならないことだ。この基本的なことが社内に徹底出来ていない。企業のエゴ以外の何ものでもない。だから、高市早苗食品安全担当相は、「絶対にあってはならないこと」と決まり文句で批判でき、不二家の藤井社長は、厚労省、農水省の改善要請に対して、「コンプライアンスを確立し、きちんと対応したい」とこれも決まり事のような回答をしている。企業不祥事が発覚するたびに何度も見てきた光景である。
○他社の不祥事を活かす行動
ポイントは、他社で発生した事態をその都度自社で検証してみることで、この積み重ねがコンプライアンスの精神を醸成していく。この手法は小規模の会社には定例のこととしてお薦めしたい。
内容はそこで働く人、つまり経営者、従業員の言動に視点を当てて実施することだ。会社には経営者にも従業員にも業務遂行における遵守すべきルールや実施しなければならない責務が定められているはずで、これらのことについて、会社としてコンプライアンス推進が明確になっていないことや働く人が拡大解釈したり、無視した結果が不祥事に繋がるからだ。したがって、事態の発生までに会社が働く人に何をしてきたかということを考えるのが最も重要だ。しかし、現時点の報道から知る範囲は限られてくるが、自社の業種、業務から類推して行くことは出来るはずだ。
今回の事件では、その企業が持つ社会との信頼関係を維持していくコアとなるものへの実践状況を検証することが良いだろう。食品関係企業であれば品質管理、衛生管理に磨きを掛けることは製品の販売よりまず重要であるはずだとか。また、経営の視点からだけでなく、職場では業務遂行がマニュアル通りに実施されているか、おかしいことや不明なことをそのままにしないように管理職からの指導は行き渡っているのかなどだ。実際には、職場毎の点検リストなどによる自己評価や管理職への情報提供を通じた周知と指導ということになるだろう。自社にあったスタイル、方法を確立することが推進担当者には求められるところだ。

