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BEIビジネス倫理研究所 代表
山口謙吉 先生

プロフィール

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番外編(05) 中国製冷凍ギョーザ中毒事件に思う(1)

■世界で多発している中国製品の事故

 年が明けて間もないのに大きな食品事件が発生し、日本中を震撼させている。全国にわたる中国製冷凍ギョーザ中毒事件だ。ここ数年中国製品に関しての事故、事件が世界各地で聞かれる。

 たとえば、中国製のおもちゃに基準以上の鉛が混入した塗料が使用されているとして、日本では6月に、アメリカでは8月に1800万個もの自主回収が実施され事件が発生している。また、3月にアメリカで発売された違法な添加物を使った中国製ペットフードを食べた犬や猫が大量に死ぬという事件もが発生している。

 中国の製造業についての問題の根は深いようだ。昨年12月、中国淅江省当局が省内のおもちゃ輸出業者に対し一斉検査を実施し、一部改善命令を出すなどの品質強化対策を進めているようだが、その成果はこれからというところだろうか。

 日本における中国製食品に関するトラブルは、2002年のダイエット用健康食品で肝障害を発症して女性が亡くなるという事件が大きなものとしては最初といえるだろう。その後、中国製の食品、野菜については毎年のように基準値以上の残留農薬の検出などが報じられている。

 たとえば、冷凍うなぎから合成抗菌剤が発見されたり(2005年)、中国野菜から基準値を超える殺虫剤が検出されたり(2007年)している。しかし、今回のように全国に及ぶ被害までには至っていないこともあり、消費者の食品に対する危機感はそれほど高くはならなかったようだ。

■発生の背景に「食」への平和ボケ

 中国が「世界の工場」といわれ、日本でも冷凍食品を含む加工食品輸入量の60%以上を依存しているのが現状で、消費者が国産製品を選択するほどの品が日本にはない。

 日本の食糧自給率は40%を超えた程度でしかなく、欧米に比べて20%から30%も低い現状にも問題があるということだ。これほどまでの状況になっていたとは驚きで、食料の半分以上を海外に依存しているとはとんでもないことだろう。

 「食」の問題は国家の存亡に関わる重大事であるはずだが、政府の対応振りはいかがなものか、農業政策等の見直し転換が急がれるところだ。

 また、昨年の食品会社の一連の偽装表示事件を見てもわかる通り、国内における市場原理の行き過ぎが影響しているのは確かで、労働、製品コストの安い中国で製造して輸入するシステムが定着している。食品会社の経営で削減してはいけない3つのコスト「安全、衛生、安心」についてはどうだったのだろうか。

 今回の事件は、昨年10月に中国製冷凍ギョーザを購入した消費者からの苦情により一部表面化していたにもかかわらず、対応が出来ていなかったのは売上への大きなダメージ回避を優先させていたとしか見て取れない。ここでもお決まりの消費者の安全を無視した経営がなされていたということで、今後この製品を輸入、販売した企業は大きな代償を強いられることになる。

 日本は食料後進国だといっていた人がいたがその通りのようで、日本人の中国産だけではないが食品に対する無防備さが今回の事件発生の温床にあるのは確かだろう。