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総務辞典

相談室

指田朝久 先生
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
情報グループ グループリーダー
桜美林大学経営政策学部非常勤講師

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【保有資格】
情報処理技術者システム監査、気象予報士

東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 情報グループ グループリーダー
桜美林大学経営政策学部非常勤講師

指田朝久 先生

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自衛のすすめ

 最近ライフラインの思わぬ事故が立て続けに発生している。東京ではクレーン船が送電線を切断し、よもやの停電事故が発生した。
 また。広島では上水道のトンネルの落盤事故により断水した。市内には給水車が出動したものの工業用水までは手がまわらず、生産現場は苦労を強いられた。
 一方、鉄道の配電盤火災によりのべ2日にわたってダイヤが乱れ、IP電話が長期間停止したことも記憶に新しい。

 このようなライフラインの突発的な事故は、企業の操業に少なからぬ影響を及ぼし、利益損害にいたることもある。実際、広島の断水では、中間決算を控え、被害額が30億円にも達すると公表した企業もある。

 このような場合、企業は損害賠償を請求することができるのだろうか。電気やガスあるいは鉄道などはそれぞれ約款が定められており、自然災害などによるものは不可抗力として免責扱いとなることが多い。万一過失があったと認められるような場合でも、基本料金を日割りや時間割で計算し返金するケースが多いようである。

 一般に損害賠償を請求する場合は、立証責任が被害者側にあるため、本当に不法行為によるものか否かを立証するのが困難である。また、裁判になるとその費用もばかにならない。

 今や日本の電気、水道、ガス、通信、鉄道などのライフラインは、世界一の安定供給を誇るまでになっている。そのため、それらの安定供給を当たり前のこととし、供給停止への備えを講じていない企業が多いようである。
 しかし、日本でも今から30〜40年前(筆者の子供時代)には、停電はそれほど珍しいものではなかったのである。現在でも日本よりライフラインの安定度が低い国に進出した企業では、停電などに対する万一の備えは利用する企業側の責任と捉え対策を立てている。

 今回はライフラインの不慮の事故による影響をとりあげたが、取引先の不測の事態による操業停止の影響もまた考慮しなければならないだろう。自社の火災事故などによる利益損失に加えて、このようないわばもらい事故による利益損失をカバーする保険も販売されている。一度検討してみてはいかがだろうか。