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相談室

指田朝久 先生
東京海上日動リスクコンサルティング株式会社
情報グループ グループリーダー
桜美林大学経営政策学部非常勤講師

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【保有資格】
情報処理技術者システム監査、気象予報士

東京海上日動リスクコンサルティング株式会社 情報グループ グループリーダー
桜美林大学経営政策学部非常勤講師

指田朝久 先生

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損害保険の新しい考え方

 保険の機能は、あらかじめ対象範囲を定め、該当する事件や事故が発生した場合に、契約に基づいて保険金を支払うというものです。損害や事故の影響度には、人命損失、物的損失、利益損失、損害賠償、顧客喪失があります。人命や物的財産は掛け替えのないものですが、それらを金額に置き換えて補償するところに保険の特徴があります。企業不祥事による信用失墜、商品価格の設定の失敗、新商品の不振など、残念ながら保険の対象とならないリスクも多々あります。
 保険会社の一番の役割は保険金の支払いですが、最近は自動車事故の示談代行などのサービスを求めて保険を付ける例も出てきています。
 さて、すべての損害を金額に置き換えて補償するという保険の最大のメリットは、やはり財務諸表の安定性への貢献です。通常、企業は損益計算書や貸借対照表とキャッシュフローで評価されますので、事件や事故が発生した場合の財務諸表への影響を最小限にくい止めることが、保険の大きな役割であると言えます。
 それでは、何に対してどのような保険を手当すればよいのでしょうか。一般に、企業はまず自社を取り巻くさまざまなリスクを洗い出し、その発生頻度と影響度を評価してリスクマップ(リスク分布図)を作成します。次にこれらの基礎資料を基に対象とするリスクに優先順位を付け、優先度の高いところから保険手当を検討していくことになります。また、リスクや事業分野はどんどん変化するため、定期的にリスクを見直し、それに合わせて保険を見直すことも必要です。
 どこまで保険でカバーするかについては、近年「リスクの最終補償は資本金である」という考え方が広がってきています。つまり、事件や事故が発生した場合に、その損害額から保険などの補償を差し引いた額が資本金額を超えてはならないという考え方です。例えば、資本金1000万円の企業では、工場火災などを想定した場合、その損害額の合計から保険金を差し引いた額を1000万円以内にすることが望ましいという考え方です。逆に、1000万円以内の予想損害額であれば保険は付けないという選択肢もあります。但し、前述のサービスを期待して保険を購入する場合や、失われた資本金を回復する目当てが無い場合は別です。なお、利益を内部留保している企業は、資本金として各種引当金や内部留保資金を算入することもできます。
 このような観点で、みなさんも一度、保険の役割について考えてみてください。