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ITガバナンス

NTTデータ経営研究所
小野寺清人 先生

プロフィール

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ITガバナンスにおける自動化(IT化)の効果

IT化が業務のパフォーマンスの向上に貢献していることは、一部の例外を除いて、間違いないであろう。IT化は、パフォーマンスの面だけでなく、コンプライアンスの強化に関しても寄与している。当然、ITガバナンスの向上にも活用し得るものである。

ITガバナンスに限らず、ビジネス上の目的を達成するためには、その達成状況をモニタリングする必要がある。ところが、この「モニタリング」という作業が厄介である。人手でやろうとすれば、人件費の増加につながることは目に見えている。さらにIT化の進展によって、ビジネスプロセスにおけるITプロセスの比重は増加しているわけだが、そのITプロセス上のモニタリングを、ITを使わずに行うことは、ほぼ不可能である。したがって、ITをうまく利用してモニタリングを行うことが重要になってきている。ところが、これがなかなかできない。特に日本企業の場合、苦手にしているところが多い。というよりも取り組んでいないところが多い。

米国企業と日本企業のPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act cycle)上での得手不得手を比較した場合、米国企業はPとC(モニタリングといい換えてもいい)に秀でており、Dが苦手である。ところが、逆に日本企業の場合は、Dが得意であるが、Cが苦手というかあまり意識されていない。これには、日本企業の場合、特に製造業においてDが優れていることと、1980年代までの右肩上がりの高度経済成長のおかげで、結果を「真剣に」評価する必要がなかったことも影響している。さすがに、90年代の不況を経て、モニタリングの重要性を認識するようになってきていることは間違いないが、満足できる水準からは、かけ離れているのが実態だろう。

手作業でのモニタリングも十分な経験がない状況でITを活用しても、十分な成果が得られないことは当然である。さらに、上述したようにITによるモニタリングの重要性が増加している状況を踏まえれば、一般的な日本企業でのITガバナンス、ITリテラシーの相対的な低さも考慮すると、問題はより深刻になっているはずである。

ではどうすればいいのか? やみくもにモニタリング用のITツールに飛びついても効果は期待できない。金をドブに捨てるようなものである。まずは、モニタリングに関してその本質を理解し、モニタリングの仕組みを設計することである。例えば、(ビジネス上の目的を達成するために)管理すべき項目と、それを評価するための指標は何か、その値の評価方法は設定されているか、その指標を、いつ、どこで、誰が、どのように収集し、誰が評価するのか、などなど。あとは、IT化が必須な指標、IT化可能な指標を抽出し、IT化した上で、手作業のモニタリングとIT化モニタリングを包含したモニタリングを構築すればよい。