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ITガバナンス

NTTデータ経営研究所
小野寺清人 先生

プロフィール

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イネーブリング・テクノロジー(enabling technology)としてのIT

21世紀に入り、ITの進化はさらに進んできている。また、ベストプラクティスもそれに合わせて、進化した形で出現してきている。ただ、このような先進ユーザーとその他大勢の一般ユーザーとの差は、ますます拡大してきている。

同じITを利用していても、その差は歴然としている。これは、ITそのものに関する理解、つまり技術力の違いも影響していることは確かである。だが、それだけではない。ITガバナンスの水準が違うのである。平たくいえば、「ITの使い方」に差があるのだ。ITそのものがビジネス上の目的を実現するわけではない。ITが「イネーブリング・テクノロジー」と呼ばれるゆえんでもあるが、ITは目的を達成するための手段である。だからこそ、ITを利用する場合に、ITガバナンスの水準によって、利用した結果に大差がでるわけである。

業務パッケージのように、あまり使い方に差がないようなITでも、実は結構、差がある。ある企業では、それまで手作りのバッチシステムをリアルタイム型のERPパッケージに変更した。ところが、従前のビジネスプロセスをほとんど見直さず、ERPパッケージをカスタマイズしてそれに合わせようとしたのである。これでは、ERPパッケージの長所を殺して短所を際立たせているようなものである。これとは対照的に、同様の置き換えを行った別の企業では、ERPパッケージの利点であるデータのリアルタイム性、データの一元管理、分析用情報の付加の容易性を利用し、収集されたデータをモニタリングし分析することにより、業務上の問題点を早い段階で把握し、適切な対応がとれるようにしている。おそらく、投資額にはそれほど差がないはずだが、得られる効果には雲泥の差がある。これがBIツールなどでは、さらに大きな差となるであろう。

読者の皆さんの周りをごらんいただきたい。スプレッドシート、WEBの情報検索など、使い方に驚くほど差があることがわかるはずである。同じITを使っていても、使い方によってそこから得られる効果に差があることが一目瞭然と思うが、いかがであろうか?