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職場環境
今や、職場で働く社員の3人に1人は非正社員の時代である。景気の回復につれて人材の確保が困難になりつつある。そのため、企業の成長のためには非正社員(パートタイマーのほかに、契約社員、嘱託社員、アルバイト、派遣社員などの有期契約社員を含む)の一層の活用と活性化が必要になっている。
その非正社員の活性化の障害の一つが、非正社員との処遇の格差である。格差について、正社員はどのように感じているだろうか。(独)労働政策研究・研修機構「正社員とパートタイマー等の均衡処遇に関する意識調査」では、同じ職場でもっとも高い時給を受け取っているパートタイマーの時給水準に対して、正社員がどのように感じているかを尋ねている。その結果、時給水準が「妥当」とする回答は50.4%、「やや高い」は11.4%、「やや低い」は23.1%である。おおむね妥当とはしつつも、自分がそのパートと同じ仕事をする場合に希望する時給を尋ねると、その時給より「上回る」が49.3%、「同額」が18.9%、「下回る」が7.5%と回答している。つまり、パートの時給としては妥当だが、業務内容に比べては低いと感じている。つまりパートの時給は低いと感じていることになる。
同じく同機構の「多様化する就業形態化での人事戦略と労働者の意識調査」では、非正社員に対して同じような仕事をしている正社員との賃金格差への納得感を尋ねている。「納得している」が21.5%に対して、「納得していない」が56.4%と多い。雇用形態が違うのだから処遇差は仕方がないと思いつつ、同じような仕事なのに差があるのは釈然としないということだ。
だから、仮に正社員とパートが同じ仕事をしている場合は、処遇のバランスに配慮すべきとする考え方には、正社員も「賛成」が40.3%、「どちらかというと賛成」が39.0%と、均衡処遇には前向きだ。均衡処遇の理由としては、「優秀な人材の確保」「やる気の向上」「同じ仕事だから当然」「優秀なパートを育てる」などのモチベーション上の理由だ。同じ仕事をしているなら、同じ処遇の方がやる気が出る。
ではどうすれば正社員と同じような処遇が実現できるか。処遇は、評価、昇進・昇格、賃金、退職給付、福利厚生と多様だ。評価、昇進・昇格と賃金は、互いに連動するため、これに手をつけるとすべてを見直すことになる。賃金に手をつけると財務面・収益面への影響が大きすぎる。かといって非正社員には退職給付はなじまない。
そこで他の処遇ともあまり連動しない処遇である福利厚生が注目される。もちろん、福利厚生といえども人件費の一要素として大きく、簡単にはできるものではない。
要は非正社員の人件費削減というメリットと非正社員のモチベーションアップという二律背反のメリットのバランスの問題だ。これまでは人件費削減のメリットが大きいとされてきたが、そろそろそのバランス感を変える時期ではないか。多少コストアップしてもモチベーションを優先するべきではないか。その手段が福利厚生処遇の均等化である。
(財)生命保険文化センターの調査をもとに、正社員が利用できて非正社員が利用できない格差の大きい福利厚生制度を洗い出すと、財形支援、持ち株会、住宅手当、死亡退職金・弔慰金、資格取得支援、社宅・独身寮などとなっている。いずれも現金性の高い福利厚生である。福利厚生においても格差がはっきりしている。
職場の一体感は重要だ。同じ職場で同じような仕事をしている以上、同じ処遇ではないと、それが障害となりかねない。そこで賃金は難しいとしても少なくとも福利厚生での処遇は同一にしようということだ。福利厚生は賃金より目に見えやすいので効果は大きい。

